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ケーススタディ

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クラフトビール醸造所における生産能力の向上

課題

  • 既存の充填機器をアップグレードして生産速度を高め、ビールの品質を向上させること

ソリューション

  • Integrated Architecture™ (統合アーキテクチャ)システム - Allen-BradleyのCompactLogixコントローラが費用効率に優れたフォームファクタで高速制御を実現し、Rockwell SoftwareのRSLogix 5000ソフトウェアを使用した単一のプログラミング環境を提供
  • EtherNet/IPで、コントローラ、サーボドライブ、およびモータ間の接続を実現
  • Allen-BradleyのPanelView Plusヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)とFactoryTalk View Machine Editionソフトウェアで切換えに要する時間を短縮
  • Allen-BradleyのMotion Analyzerソフトウェアが、最適なサイズの理想的なサーボ・モータ・ソリューションの選択を支援

結果

  • 生産速度(1分当たりのボトル数)が120本から180本へと向上し、最大で毎分400本の生産が実現
  • 100万分の1単位の酸素濃度測定におけるエラーが80~90%低減され、品質が向上

背景

ミルウォーキーのレイクフロント醸造会社は、特産ビールがブームになり社会現象を巻き起こす前から、長年にわたりクラフトビールの醸造を行なってきました。

1987年にジム・クリシュ氏とラス・クリシュ氏が兄弟2人で創業して以来、レイクフロント社は継続的に革新に取り組んできました。同社は米国初の認定有機醸造所でもあり、地元農家との提携を通じてウィスコンシン州ならではの成分を採用していることもセールスポイントのひとつです。

1989年には125樽を販売し、翌年にはそれが倍増しています。レイクフロント社の人気は増し、生産量も伸びました。1987年時点では55ガロンのステンレススチール製ドラム缶を使用していましたが、1990年には独自の瓶詰め機を開発します。

元はパン屋だった小さな建物での醸造でしたが、その生産量は1998年には3000樽に達しました。

間もなく彼らは市内の大きな町に移り、閉鎖された石炭火力発電所の跡地で新たなスタートを切ります。ここでは使い古した自前の機器にかわり、立派な醸造設備が導入されました。

2012年には3万3368樽を生産するまでに成長しました。レイクフロント社の製品は今や米国35州およびカナダに流通しており、なかでもグルテン・フリー・ビール市場ではナンバーワンの地位を誇ります。

課題

高額な先行投資を避けながらビジネスに価値をもたらすには、どの程度の技術投資を行なうべきか。地域に根差したクラフトビール醸造所にとって、その見極めは大きな課題となります。

クリシュ兄弟は拡大する消費者需要に機敏に対応しようとさまざまな選択肢を検討し、ついに2013年に瓶詰め機のアップグレードを決意しました。

彼らが求めたのは、価格が手頃で信頼性と柔軟性に優れ、なおかつ彼ら特有の醸造要件に適合する充填機です。

社長のラス・クリシュ氏は次のように述べています。「我々が必要としていたのは、工程内の適切なタイミングで低酸素含有量を確保し、適切な殺菌を行ない、誤差をプラスマイナス1.5ミリリットル以内に抑えた高精度の充填が可能な充填機器でした。酸素は醸造工程の一部の段階(発酵前など)では不可欠な存在ですが、充填段階においては味が落ちる原因となるため、逆にこれを排除することが重要なのです。」

レイクフロント社に必要だったのは、品質管理と切換え時間(12オンスから24オンスへの切換えと、四季醸造から季節限定醸造への切換え)の短縮が可能な充填システムです。

「生産速度と機械の信頼性が必須条件でした。そこで、シフト数を減らして1日10時間の業務を実現し、効率化を図ろうと考えました。その唯一の手段が、機械の稼働時間を改善し、生産を加速することでした」と、クリシュ氏は述べています。

レイクフロント社は充填機器のアップグレードに際し、醸造に対する自社本来のアプローチを継続するとともに地元サプライヤへの忠誠を可能な限り維持できるよう、同じウィスコンシン州に本社を置く機械メーカであるKHS USA Inc.社をパートナに選びました。

ソリューション

KHS社は140年以上にわたり大手飲料メーカ各社に充填システムを提供してきた経験をいかし、中規模企業であるレイクフロント社にとって手頃な価格のオートメーション機器を設計しました。Innofill Microと呼ばれるKHSのガラスビン用充填機は、機能実証済みの機械的バルブを採用しています。これを活用して所定の温度と圧力でビールの瓶詰めを行なうことにより、高精度の充填が実現します。

KHS社はロックウェル・オートメーションのミルウォーキー営業所のエンジニアと手を組み、この新しい機械の設計・開発に挑みました。

KHS社のエンジニアリング部門部長を務めるジェフ・ギルバーグ氏は次のように述べています。「ロックウェル・オートメーションが最初から設計チームに参加してくれたおかげで、費用効率に優れた高性能ソリューションを生み出し、スループットの高い無菌環境での少量生産を実現できました。また、この経験は、KHSが新たなグローバル市場に進出するためのソリューション設計にも役立ちました。」

同チームはこの取り組みにおいて、機械の最終的なエネルギー消費を最低限に抑えることに成功しています。KHS社は、DSソリッドワークス社のSolidWorks設計ソフトウェアで作成したモデルと、Rockwell Software® RSLogix™ 5000ソフトウェアによる制御設計をいわば結合し、Allen-Bradley®のMotion Analyzerソフトウェアで新しい少量生産用途のモデル化を図りました。Motion Analyzerツールはその過程で、トルク要件に応じた最適なサイズの理想的なサーボ・モータ・ソリューションの選択に貢献しました。

これを経て、レイクフロント社のビールの品質が向上しました。充填工程における100万分の1単位の酸素濃度測定のエラーを80~90%低減できたことがその要因のひとつです。

Innofill Microガラスビン用充填機は、ビールを瓶に充填した後、滑らかな動きでジェット噴射部に送り、微量の清浄な高温水流でビールを撹拌します。

その際、熱湯によって生じる泡が瓶の入口を覆い、酸素の侵入を防ぎます。その泡にかわるようにして王冠が装着されることにより、無菌状態で瓶に封をすることができます。こうして瓶詰めされたビールはケースパッカーに送られ、小売向けサプライヤへと出荷されます。

この機械はAllen-BradleyのCompactLogix™プログラマブル・オートメーション・コントローラを使用しています。EtherNet/IP™ネットワークを介してこれをAllen-BradleyのKinetix® 6500サーボドライブおよびAllen-BradleyのMP Series™サーボモータと緊密に同期させることにより、標準的な単一の産業用ネットワーク上で統合モーションコントロールを実現します。

これによって専用のモーションネットワークは不要となり、配線が減少し、隔離されたネットワークとの間で情報をやりとりするためのゲートウェイを設ける必要もなくなります。また、診断能力が向上し、保守作業も簡略化されます。

さらに、単一のプログラミング環境を使用することで、エンジニアリング作業が合理化されます。機械安全の向上のため、ロックウェル・オートメーションはリスクアセスメントを実施し、これによって特定されたオペレータの安全リスクを緩和すべく、セーフティリレーおよび安全制限速度モジュールを実装しました。

安全制限速度技術を活用すると、機械の動作中に安全を確保しながらオペレータが保守などの作業を実施できるため、生産性が向上します。このリスクアセスメントのプロセスは、適切な国際安全規格へのコンプライアンス徹底にも役立ちました。

結果

この新しい充填機は、醸造工程を一切中断することなくシームレスに設置されたうえ、設置面積を極力抑えるというレイクフロント社の要件も満たしています。しかし、それ以上の成果と言えるのが、レイクフロント社における製品の切換えや保守作業、トラブルシューティングの所要時間を大幅に短縮したことでしょう。これは、オペレータがAllen-BradleyのPanelView™ Plus HMIおよびFactoryTalk® View Machine Editionソフトウェアを使用して、レシピの保存や呼出しを実行できるためです。

クリシュ氏は次のように述べています。「年間を通じて22種類のビールを醸造しており、そのうち12銘柄のみが四季醸造であるという状況においては、切換えの速度が非常に重要な鍵を握ります。この新しい充填機なら、四季醸造から季節限定醸造への切換えも簡単です。」

Innofill Microガラスビン用充填機によって、レイクフロント社の施設では生産速度(1分当たりのボトル数)が120本から180本へと向上し、最大で毎分400本の生産も可能となりました。

「この充填機の導入前には70%だった機械の稼働時間(稼働率)が、今では平均90%にまで向上しています」と、クリシュ氏は言います。「しかも、2交代だった業務が1日10時間の1シフトのみで済むようになり、コスト削減と業務効率化も果たせました。」

そして、最も重要な成果がビールの品質の向上です。充填工程における100万分の1単位の酸素濃度測定のエラーを80~90%低減できたことがその要因のひとつとなっています。

ギルバーグ氏は次のように述べています。「新しい充填機の導入で、ビールの品質と一貫性が向上しました。それと同時に、定置洗浄(CIP)手順のおかげで衛生状態も改善されています。また、工程で失われるビールの量を減らして、高スループットを確保して流出を最小限に抑えることもできました。」

この新しい機械は、その他の面でも無駄の削減に一役買っています。クリシュ氏によれば、「この充填機を導入する前は、製品の品質と一貫性に問題を抱えていました。充填量が適切でない、王冠がはまっていないなどの問題がある製品が6~7ケースは発生していたものです。しかし、KHS社の機械とロックウェル・オートメーションの制御プラットフォームのおかげで、廃棄率を80%も下げることができました」とのことです。

「彼らが開発した自動充填機は価格も手頃ですし、我々の期待を上回るものでした。少量生産にこだわるクラフトビール醸造所としては、技術への投資がこうして結実し、驚くべき成果を挙げていることに大いに満足しています」と、クリシュ氏は続けています。

ここで紹介した成果は、お客様の組織でロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。実際の成果は事例ごとに異なる場合があります。

 

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